つらい花粉症。眠くならない抗アレルギー薬について解説
花粉症はつらい。やる気もなくなるし、仕事もプライベートも能率が下がる。
抗アレルギー薬には、眠くなりやすいものと、眠くなりにくいものがある。
眠くなりにくい抗アレルギー薬について解説
という記事です!
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- 1 花粉の影響で生活の質が下がる
- 2 抗アレルギー薬には、眠くなりやすいもの(車の運転を控える必要性がるもの)がある
- 3 眠くなりにくい(車の運転に関する記載のない)抗アレルギー薬の種類
- まとめ:辛い症状は我慢しなくていい
1 花粉の影響で生活の質が下がる
1-1 花粉症の原因は花粉によるアレルギー反応
花粉症はいまや国民病ともいえる病気になっています。
国民の25%が花粉症にかかっているといわれており、日本には3000万人の花粉症患者がいることになります。
特に最近では、子供の花粉症が増えているようです。
多くは2-3月にみられるスギ花粉が原因で花粉症の症状になることが多いです。
しかし、複数の種類の花粉にアレルギー反応を起こすようになると、一年中花粉症の症状が出るという人もいます。
花粉症は、花粉によって生じるアレルギー疾患の総称です。
- アレルギー性鼻炎 …鼻水、くしゃみ、鼻づまり
- アレルギー性結膜炎 …充血、かゆみ、流涙
と、人によって異なりますが、主に鼻と目の症状がでてきます。
1-2 花粉症にかかると生活の質が下がる
花粉症にかかると鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみ、充血等の症状が出てきます。
すると、勉強・仕事・家事の効率が下がることが知られています。
他にも、考えがまとまらない、ものおぼえが悪い、眠りが悪くなる、だるい、
いらいらするなど、生活に不満足になっていきます。
(日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票を参考)
一番多いスギ花粉の時期は2月、3月です。
学生さんでしたら受験期に、社会人でしたら決算の時期に頭がぼんやりする、などという事態は避けたいものですよね。
2 抗アレルギー薬には、眠くなりやすいもの(車の運転を控える必要性がるもの)がある
2-1 花粉症の治療の種類
花粉症の治療は
- 対処療法
- 根治療法
の2種類があります。
根治療法は、減感作療法、舌下免疫療法などありますが、アレルギー反応そのものを減らすことができます。効果の高い治療法ですが、治療できる施設に限りがあります。
一方対処療法は、比較的どの病院やクリニックでも受けやすくなっています。
対処療法には、
などがあり、軽症~中等症の時には、点眼、点鼻、経口アレルギー薬が使われることが多いと思います。
2-2 花粉症の抗アレルギー薬は眠くなりやすいものがある
医者に受診した後に処方される医薬品で一番初めに処方される内服薬は抗アレルギー薬がほとんどだと思います。
しかし抗アレルギー薬は眠くなるものがあり、車の運転を控える必要があるものがあります。
薬によって添付文書の記載は異なりますが、車の運転に関する注意喚起があるものは、以下のようなものになります。
例1) 「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。」
例2) 「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること」
例1であれば注意すればいいですが、例2のように車の運転が禁止されるとも読み取れるような記載のある抗アレルギー薬もあるわけです。
これはなぜなのでしょうか。
抗アレルギー薬はすべてではありませんが、ヒスタミンのを下げる働きを持ちます。
ヒスタミンの働きの中には、脳の活性化作用、炎症促進作用があります。
抗アレルギー薬はヒスタミンの働きを妨げます。そのため目や鼻の炎症を抑える効果が出るのですがが、脳内で働くと脳の活性化を妨げ眠くなってしまうというわけです。
車の運転は現代社会において欠かせない作業の一つです。
花粉症になって飲んでいた薬が、実は車の運転がダメだったということも起こりえます。お薬を飲む前に、その薬が自分のライフスタイルに合っているかを知っておきたいものですね。
✔ 抗アレルギー薬の中には「車の運転を中止する必要がある」ものがある。知らずに内服するのはリスクにつながる可能性がある。
3 眠くなりにくい(車の運転に関する記載のない)抗アレルギー薬の種類
現代の車社会では、運転に支障のあるお薬は使いにくいのが現状です。
添付文書に車の運転に対する注意喚起のない薬は、自動車の事故を防ぐことになるだけでなく、万が一事故が起きてしまったときに身を守るうえで重要な一つとなりそうです。
現在10種類以上の抗アレルギー薬が医薬品として販売されていますが、
添付文書に自動車に関する悪影響等の記載がないものは5種類あります。
- アレグラ
- ディレグラ
- クラリチン
- デザレックス
- ビラノア
もう少し細かく見ていきましょう。
◆アレグラ
投与方法:1回60mgを1日2回に経口投与
車:シミュレーター上での自動車運転能力に及ぼす影響を検討したとき、運転能力に及ぼす影響は第一世代の抗ヒスタミン薬に比べ有意に小さく、プラセボと同様であった
◆ディレグラ
投与方法:1日2回、朝及び夕の空腹時に経口投与
車:記載なし
投与方法:1日1回,食後に経口投与
車:運転能力はプラセボ投与時と有意差がなく,運転能力に影響を与えなかった
◆デザレックス
投与方法:1日1回経口投与
車:眠気、精神運動機能及び自動車運転能力に対する影響はプラセボ服用後と同程度であった。
◆ビラノア
投与方法:1日1回空腹時に経口投与
車:ドライビング試験により自動車運転能に及ぼす影響を評価したとき、本剤の自動車運転能に及ぼす影響はプラセボと有意な差を認めなかった
薬によって、内服方法が若干違うことがわかります。
自身のライフスタイルに合わせて、薬について医師と相談してもよいのかもしれません。
飲み忘れが多い等、一日一回がいい人には、
クラリチン、デザレックス、ビラノア
空腹時など食事タイミングを考えずに内服したい人には、
アレグラ、デザレックス
一日一回で、かつ食事タイミングを考えたくない人は、
デザレックス
など個人のタイプに合わせて処方を相談するのもいいかもしれません。
実際にはそのほかの副作用等の兼ね合いがありますので、充分に医師と相談してください。
✔ 車の運転能力に影響のない薬は5種類。飲み方もいろいろのため医師と相談して内服を検討
まとめ:辛い症状は我慢しなくていい
花粉症はとにかくつらいです。生活の質が低下し、学業・仕事・家事の能力低下、精神的な不安定さなどにもつながる、厄介な慢性疾患です。
治療には根治療法・対処療法があります。
根治療法を受けられる施設が近くにあるかたは相談してもよいのかもしれません。
対処療法で十分な方は、抗アレルギー薬の相談をしてもよいかもしれません。
一方で抗アレルギー薬には、車の運転に注意喚起や禁止されているものがあります。
自動車の運転が必要な際には、車の運転に影響の少ない薬物療法について、よく担当の先生とご相談ください。
花粉症の症状を抑えて、実りのある生活をおおくることを応援しています。
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