大根おろしは消化酵素の塊!脂っこいものには最適だった話
「若い時は何でも食べれたけど、歳を取ってから脂っこいものは苦手になった」
おそらく年齢を重ねていくごとに、みんなが経験することではないでしょうか。
私も若い時には「カルビを食べられなくなるなんてあり得ないわー」と思っていましたが、今はロース肉のほうが好きになりました!!カルビを食べすぎると胃にクルんですよね。
その原因は、年齢ととも減少する酵素の生産量のようです。酵素が減少すると、油の分解と吸収が難しくなり胃がもたれ始める。それが歳とともに脂っこいものを避けていく一因なのです。
だんだんと量が減っていってしまう。。。そんな消化酵素を、食べ物から補給することができる、すごい食材がありました。
それが大根です!消化酵素を補給するすごい大根。特に大根おろしのパワーについて共有していきたいと思います。
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1 大根の持っているすごい成分
1-1 ジアスターゼとリパーゼが消化酵素のように働く
大根に含まれるジアスターゼは、α-アミラーゼとβ-アミラーゼが主成分です。
この二つのアミラーゼにより、デンプンやグリコーゲンが、麦芽糖に分解されます。
麦芽糖というのは水あめの主成分なので、甘く感じられます。
ヒトではアミラーゼは、唾液の中に含まれています。
そうです!お米をたくさん噛んでいるとだんだんと甘くなってくるヤツですね。
ヒトは米に含まれるデンプンをそのまま利用できないので、分解する必要があります。
唾液の中に含まれているアミラーゼにより、お米のデンプンが分解されて、麦芽糖になる。その麦芽糖を、舌の味蕾で感知することで「あまーい」 と感じるわけですね。
大根に含まれているジアスターゼが、デンプンの分解をお手伝いしてくれるので、胃の負担が減るということですね。
大根にはリパーゼも含まれています。
リパーゼとは、脂質を構成するエステル結合を加水分解する酵素のことです。
ヒトは脂質を吸収するときには、小さく分解する必要があります。
そのため、ヒトは膵臓からリパーゼを放出し、脂質を小さく分解したのちに省庁から吸収しています。
大根に含まれているリパーゼが、脂の分解をお手伝いしてくれるので、胃の負担が減るということですね。
✔ 大根の消化酵素は、デンプン(糖質)も脂質も分解
胃の負担を減らしてくれる
1-2 イソチオシアネートでアンチエイジング
イソチオシアネートとは、大根などのアブラナ科の野菜が持つ辛味成分の一種です。
すりおろしたり、細かく刻んだ時など、細胞が壊れた時に、前駆体(グルコシノレートとミロシナーゼ)から、イソチオシアネートが発生します。
イソチオシアネートには、活性酸素を除去する効果があります。
活性酸素除去するということは
などの効果が期待されます。
✔疲労と活性酸素の関係 → 間違いだらけの疲労の常識「だから、あなたは疲れている!」を読んだ話 - モノゴトガタリ
がん予防については研究も進んでおり、
アブラナ科野菜の摂取は,様々な臓器での発がんリスクを軽減しうることが示唆された。さらに,最近の分子疫学研究から,尿中に排泄されたイソチオシアネートの代謝産物量と肺がんや乳がんなどのリスク低下との間に有意な相関が報告された。
などの発表もなされています。
がん予防、アンチエイジング効果に期待
1-3 ビタミンCで風邪予防、抗酸化作用
大根にはビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、コラーゲンの生成に必須で、
に効果があるといわれています。
一方で、ビタミンCが極端に不足すると、壊血病を起こすことがあります。壊血病になると、血管がもろくなり出血を起こします。悪化してくと、いらいらする、顔色が悪い、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難を引き起こすことがあります。
壊血病といえば、15世紀の大航海時代が有名です。船乗りが200万人が命を落としたといわれています。
船乗りは長期間を船の上で過ごす必要があります。保存食が主な食事となりやすく、新鮮な野菜や果物が不足しがちでした。そのため、知らない間にビタミンC不足に陥り、壊血病となり、死に至ったといわれています。
今では、ビタミンC不足が原因と分かっています。野菜で壊血病が予防できることがわかったのが18世紀。ビタミンCが発見されるには、1920年まで待たねばなりませんでした。
✔ 大根のビタミンCで、ストレスに強くなり、風邪をひきにくくなり、肌の保全もできる
2 大根の正しい食べ方。大根おろしが最強だった
2-1 おでんの大根に栄養価なし!
大根は消化酵素、イソチオシアネート、ビタミンCなど、様々な効果がのある食材と割りました。
美味しい大根の食べ方は、おでん、ぶり大根ですが、実は加熱した大根には栄養価がほとんど含まれていないんです。
消化酵素のジアスターゼは熱に大変弱く、50度以上で働きをほとんど失ってしまいます。
またビタミンCも熱に弱く、熱せられることで50%以上働きを失っていしまう。さらにビタミンCは水溶性なのです。おでんなどでは、ビタミンは、スープに流れ出ていってしまい、大根にほとんど残っていません。
イソチオシアネートは、細かく刻む、すりおろされることで発生しますので、大きく切り分けられただけの大根では、そもそもイソチオシアネートがありません。
なので、おでんやぶり大根などの食べ方では、大根の栄養を十分に取ることができないのです。
✔ おでんやぶり大根はおいしいけど、栄養面では残念
2-2 大根おろしで栄養をばっちり補給
大根おろしは、大根の栄養をすべて引き出してくれます。
- 消化酵素の作用
- イソチオシアネートの作用
- ビタミンCの作用
いずれも、大根おろしで補給することができるのです。
大根おろしの汁にもイソチオシアネートが含まれていますので、汁も取るようにしてください。
またイソチオシアネートの効果は、おろした後15分ほどで半減します。
食直前に大根をおろして食べるようにしましょう。
✔ 大根おろしは、15分以内、汁も食べるが鉄則
2-3 油物と食べても、胃がもたれにくくなる
歳とともに年々減ってくる消化酵素。おいしいものを食べたくても食べられなくて悲しい思いをしたくありませんよね。
大根おろしに含まれているリパーゼ、ジアスターゼが、脂質や糖質の分解を手伝ってくれます。
日本では、昔から脂ののった秋刀魚には大根おろしがつけていました。
胃の負担を減らすのに、大根おろしが効果的と経験的に知っていたのですね。
リパーゼは秋刀魚の油だけではなく、牛や豚などの脂にも効果があります。
ステーキなどを食べるときに、大根おろしを添えることで、胃の負担なく食べられるようになるかもしれません。
3 まとめ
大根には、消化酵素で胃の負担を減らす、イソチオシアネートでアンチエイジングとがん予防、ビタミンCで抗酸化作用・肌の保全効果があることがわかってきました。
特に大根おろしにすることで、余すことなく大根の栄養を取ることができます。
明日から食卓に、大根おろしが役立てればうれしいです。
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